GIMP レイヤーマスク
画像の切り取りや切り抜きではなく、画像の一部分をマスキングや透明にすることにより、重なっているような編集を行う機能がレイヤーマスクです。
例えば下の画像で説明すると、1枚の画像上にAとCがあって、その間にBを入れたいとします。その場合、Bの、Aと重なる部分だけを透明にする必要があります。

Bという画像を作ります。背景は透明である必要があります。チェック模様は透明を表します。

レイヤーダイヤログには図のように2枚のレイヤーが表示されています。

この2枚のレイヤーを重ねて表示すると下の図のように、ACの前面にBが表示されます。

ACは1枚の画像ですが、AだけをBの前面になるようにします。まずは、レイヤーダイヤログでBのレイヤーをクリックし、「選択」、「色域を選択」をクリックします。ツールボックス内の「色域を選択ボタン」クリックでもOKです。(この画像の場合は単純な一色のみの画像なのでこの選択方法を使用しますが、写真などの場合はパスツールなど他の選択方法を使用します。)

Bの、緑色の部分をどこでもいいのでクリックします。同色の部分が全て選択されますので、B全体が点線で囲まれ選択範囲となります。

次に、レイヤーダイヤログでACのレイヤーをクリックします。Bを選択範囲にしたまま、ACの画像を編集状態にするわけです。

再度「選択」、「色域を選択」をクリック、もしくはツールボックス内の「色域を選択ボタン」をクリックし、ツールオプション内で、「モード:」は一番右のボタンをクリックします。ちなみにモードボタンは左から、
- 通常選択モード
- 選択範囲と選択範囲を足すモード
- 選択範囲から選択範囲を引くモード
- 選択範囲と選択範囲の重なり部分を選択するモード
となります。

Aをクリックすると、AとBが重なった部分のみが選択範囲になります。

レイヤーダイヤログで、Bのレイヤーを「右クリック」し、「レイヤーマスクの追加」をクリックします。

レイヤーマスクの初期化方法の選択画面が表示されます。一番上の「完全不透明(白)」が一番分かりやすいと思います。真っ白なレイヤーマスクの編集画面に黒色で描画することにより、その部分だけを透明にすることができます。

レイヤーダイヤログでBのレイヤー横に表示されているのが追加したレイヤーマスクです。レイヤーマスクを編集するときはここをクリックしてから行います。

そのままでも編集できますが、分かりやすくするために、レイヤーダイヤログでレイヤーマスクを「右クリック」し、「レイヤーマスクの表示」をクリックします。

キャンバスが真っ白になり、先ほど選択した重なり部分の点線だけが表示されています。キャンバス下部にはレイヤーマスクと表示されており、通常のキャンバスではなくレイヤーマスクの編集画面であることが分かります。

ツールボックス内「塗りつぶし」ボタンをクリックし、描画色が黒であることを確認し、選択範囲の点線の内側をクリックします。

選択範囲の内側が黒で塗りつぶされました。再びレイヤーを「右クリック」し、再び「レイヤーマスクの表示」をクリックして表示を消します。

レイヤーマスクが消え、通常のキャンバスになり、AとCの間にBを挟むことができました。

選択範囲の点線が残っていますので、「選択」、「選択を解除」をクリックして完了です。


分かりやすくするために単純な色と単純な画像で説明しましたが、いろんな画像で応用できる便利な機能です。レイヤーマスクにおいては黒で描画すると完全透明になり、白は完全不透明になります。
ちなみに灰色は半透明になります。以下を参考にしてください。
もう一度レイヤーダイヤログで「右クリック」し、「レイヤーマスクの表示」をクリックします。ツールボックス内「矩形選択」ボタンをクリックし、適当に四角く選択範囲を作ります。

ツールボックス内「塗りつぶし」ボタンをクリックし、色を変更するために描画色表示部をクリックします。

どの方法でもいいですが、ここでは右のタブから真ん中辺りの灰色をクリックし、「OK」をクリックします。

描画色を、選択した灰色に変更したら、先ほど作った四角い選択範囲の内側をクリックして塗りつぶします。

この状態でレイヤーマスクの表示を消すと、下の画像のようになります。Bのレイヤーの一部分だけを半透明にすることができました。灰色の濃度を変えることによって透明度も変わります。

このようにレイヤーマスクで白と黒と灰色をうまく使い分けることによって、より凝った編集ができるようになります。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません