壁に穴を開けて収納スペースを作る

住宅建材である石膏ボードは簡単に穴を開けることができます。

一般的な木造住宅の壁の構造は、柱に石膏ボードを留めてそれに壁紙を貼るという形になっています。ですので、柱が無い部分の石膏ボードの裏側は空洞になっているわけです。その空洞を利用して収納スペースを作りたいと思います。

下地センサーで壁裏の柱確認

石膏ボードに穴を開けること自体は簡単なのですが、ただ、壁の裏側は見えませんし、柱があったり電気配線があったりしますのでやみくもに穴を開けるわけにはいきません。そこで、下地センサーという道具を使います。これを使うと石膏ボード裏の柱の位置が簡単に分かりますし、電気配線があればアラームで教えてくれます。

針で空洞確認、ドリルで穴開け

下地センサーが使いにくい場所に穴を開ける場合は、針を使います。まずは壁を軽くノックして音を聞きます。反響がある部分と無い部分がありますが、反響する部分は壁の裏が空洞になっていますので、そこに針を刺して確認してみます。奥まで入れば空洞ということですのでそこにドリルで穴を開けます。弱回転でゆっくり開けます。

ドリルと廻し引き鋸で穴拡張

壁を切り抜くにはノコギリを使います。細身のノコで、まわしびきノコといいます。廻し引き、廻し挽き、引き回しなどいろいろと呼ばれるようです。その細身のノコが入るぐらいまでドリルで穴を広げ、廻し引き鋸で拡張します。

廻し引き鋸でさらに拡張

後は廻し引き鋸で切り込みを2本入れて、間を引っ張れば、石膏ボードは簡単に折れますので、それの繰り返しで少しずつ穴を広げていきます。

木枠を取り付ける

切断面をある程度整えたら、寸法を測って内側に木枠をはめ込み木工ボンドなどで固定します。多少すき間があっても、後で別の枠を取り付けて隠すので大丈夫です。

化粧枠を取り付ける

木枠が固定できたら、外側に化粧枠を取り付けます。木工ボンドと、細めのビスで固定します。上部は45度にカットします。ボンドが乾くまでクランプで固定しておきます。

下の画像のようになりました。

扉を取り付ける

木枠の内側に収まるように扉を取り付けます。

フラッシュ構造

フラッシュ構造の扉を作ります。フラッシュ構造とは、室内ドアなどの建具やタンスなどの家具にも用いられる構造で、木枠に化粧合板などを貼り付けたもので、内側が空洞になっています。今回は、木枠の両側に普通のベニヤを貼り、表側に壁紙を貼り付けました。

プッシュラッチ

ラッチという部品を取り付けて、扉が勝手に開かないようにします。ラッチにはいろいろな種類があります。マグネットの物や、揺れを感知すると自動的にロックがかかる耐震ラッチというものもあります。耐震ラッチはキッチン戸棚などによく使われます。今回はプッシュラッチという、押すとロックされ、もう一度押すと開くタイプのものを使います。受け側を木枠に取り付けます。

プッシュラッチ♀

こちらがプッシュラッチの相方です。扉に取り付けます。受け側との位置を合わせるのが少し難しいです。

プッシュラッチ♂

フラッシュ蝶番

蝶番(丁番)もいろいろありますが、フラッシュ蝶番を使います。普通の蝶番は同じ羽が2枚あり、2枚分の厚みが必要ですが、フラッシュ蝶番は2枚合わさっても1枚分の厚みしかないので、木枠と扉の間を狭くすっきりさせることができます。

フラッシュ蝶番

閉めるとこんな感じですっきり収まります。

完成です。

プッシュラッチにすることで取っ手がいらないのと、壁と同じ壁紙を使ったので見た目もすっきり、階段下で閉じられていたデッドスペースが生きました。

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